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山中伸弥さんは徳洲会理事長の理念に共鳴して医師になった  

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)は、自然界にはそのままでは存在・生成せず、(人間に役立てようという自然にとってはあずかり知らぬ人間の一方的な都合によって行われる)いわば自然に対する暴力的な(有無もいわさない無理やりの、という意)人工的操作によって作り出されたモノ・メカニズム※で、基本的には、遺伝子組み換え・原子力発電と同じです。違いは、遺伝子組み換え・原子力発電は人間の統御が不可能で、生命を脅かすのが明確であるのに対し、iPS細胞は人間の統御が可能か否か、生命を脅かすのか否かがまだ不明な点です。

    ※皮膚の細胞の核に「人工的操作によって=無理やり」特定の4つの遺伝子を入れることでその細胞を「初期化」(受精した直後のように体のあらゆる組織や臓器に変わる状態)させたものがiPS細胞です。

 山中さんのノーベル賞受賞決定は10月9日にマスメディアがいっせいに大々的に報道しましたが、当日、このiPS細胞の持つ危険性について、朝日新聞でさえ一切報じない(記者会見ではiPS細胞研究の危惧について質疑があったのに、それすら報じない)中にあって、毎日新聞は第2面で大きく報道.pdfし、第25面でも記者会見での質疑を報じました。(追記:2日後にも報じました<意見記事.pdf>)

 まだ倫理的に問題なし(統御可能、生命を脅かさない)と確証されていないiPS細胞研究を続ける<臨床(患者=ヒト治療)応用に進んでいく>ことに問題はないのか。

 山中さんがこの研究分野の主導権を持ち続けている限りでは大丈夫だ、というのがその問に対する答です。

 その理由は2つあります。 

 1つは、先に述べた毎日新聞が伝えるところによると、山中さんは、記者会見で「研究の倫理面での心配は?」と質問されて「1つの倫理的問題(引用者:受精卵という生命の萌芽を使用=破壊してES細胞<胚性幹細胞>という万能細胞を作ること)を解決するためにやったこと(引用者:受精卵を使用しないでiPS細胞という万能細胞をつくったこと)が、また新しい課題(引用者:iPS細胞を患者=人に応用することは倫理的に許されるか)を生み出してしまった」と回答し、iPS細胞とその研究の危険性を十分に認識されているPhoto_3 からです。

  もう1つは、その認識が根源的ヒューマニズム<生命(いのち)だけは平等だ>に基づくものだからです。山中さんは、高校生のころ、徳田虎雄徳洲会理事長の著書『生命(いのち)だけは平等だ』と故井村和清医師(岸和田徳洲会病院の創設期の内科医/同病院は故井村医師の紹介コーナーを設置しています)の著書『飛鳥へ、そしてまだ見ぬ子へ』を読んで感銘を受けて医師になることを決意しました。山中さんの医師・研究者としての拠り所は根源的ヒューマニズム<生命(いのち)だけは平等だ>なのです。そのことを、山中さんはノーベル賞受賞が決まる1ヶ月半前、直接に徳田理事長に伝えておられます(徳洲新聞 9月10日号.pdf)。その際、理事長は山中さんに徳洲会グループ挙げてiPS細胞研究に全面的に協力すると約束しました。

 徳洲会は、15(H27)年3月開業予定の生駒市立病院の指定管理者として生駒市の医療の発展の担い手となります。徳洲会は山中教授のiPS細胞研究(その臨床応用)に全面的に協力します。もし、山中教授が生駒市所在の奈良先端科学技術大学院大学(先端大)で今も研究を続けておられたなら、生駒市立病院は、倫理面に配慮しながら行われる山中教授のiPS細胞の臨床(患者治療)応用研究に協力するでしょう(もっとも、当分は動物実験を繰り返し、そのちに患者を対象とする臨床研究がおこなわれ、実用化は数年先といわれていますが、市立病院の開業が遅れれば臨床応用研究に間に合わなくなります)。そして、その研究が成功してiPS細胞が実用化され、その画期的な医療技術がこれまで救えなかった世界の多くの人々の生命を救うことになれば、山中教授研究グループとその研究舞台となった先端大・市立病院が所在する生駒市の名声は世界に轟くことになるでしょう。それを思うと、山中教授が先端大を立ち去られたことがかえすがえすも残念です(奈良先端大はなぜ山中さんに去られたのか。)。

 追記:山中教授は先端大を去った理由として「先端大ではiPS細胞の臨床応用研究はできない」ということも挙げられたと伝えられていますが、それは、先端大の近く(生駒市内)には「生命(いのち)だけは平等だ」という理念を掲げる徳洲会を指定管理者とする生駒市立病院のような、倫理面に配慮しながら行われなければならないiPS細胞の臨床(患者治療)応用研究を安心して託せる病院がその時点ではなかったということでしょう。そうだとすれば、こちらの方も残念なことです。

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