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一般質問 : 生駒市の学校・教育にかかる課題について 

 このところ、以前にもまして、学校・教育にかかる報道が多くなされています。それを踏まえ、生駒の学校・教育においても今大切なことと思われる課題について、質問いたします。

「市内中学生熱中症事故調査委員会」について

 東北大震災時における大川小学校事故(ご参照)を検証する第三者委員会である「大川小学校事故検証委員会」が設置された際、「市や県の教委と結びつきの深い人物は入れないで欲しい」「遺族も検証に加わりたい」などの児童遺族の要望は聞き入れられませんでした。また、委員会は、設置要項に「目的」が無く、「だれのために何を検証するのか」も不明確で、当初から法律上・行政上の責任追及はしないという前提でスタートしました(ご参照1ご参照2)。そして、その最終報告は真実を明らかにしていないとして、児童遺族は2014310日に提訴し、この1026日、仙台地裁は学校側の過失を認定し23人の児童遺族に計約14億円の支払いを石巻市と宮城県に命じました。

 本市でも、第三者委員会である「市内中学生熱中症事故調査委員会」(会議の概要等)が設置され、第1回委員会が1115日に開催されていますが、この委員会についてお伺いいたします(生駒市立中クラブ活動 熱中症死亡事故については、こちらをご参照)。

Q.委員構成や目的等について遺族の同意を得ているか。

A.調査委員会設置に至った経緯や設置の趣旨などをご遺族に説明するとともに、委員選任に当たっても、調査の公平性・中立性を確保する観点を踏まえた上、ご相談させていただきながら進めてきた。

 

Q.これまでの各自治体での学校事件・事故に関する調査や検証を行なう委員会(ご参照)には、「大川小学校事故検証委員会」のように十分には機能しなかったものもある。「市内中学生熱中症事故調査委員会」を十分に機能させるためにどのようなことに留意するつもりか。

A.平成283月に文部科学省から出されている「学校事故対応に関する指針」に基づき、学校管理下における原因究明及び再発防止のための取組について検討するためのものであることに留意し、委員の皆様に検証を進めていただいている。

 

学校図書館について

Q.113日の毎日新聞によれば、同新聞が学校図書館協議会の協力を得て実施した「学校読書調査」で、学校図書館で働いている先生にどんなことをしてもらいたいかを尋ねたところ、小学生は「本がある場所を案内してくれる」が53%と最多で、「安心できる場を作ってくれる」は46%で2位だった。しかし、中学生になると、「安心できる場」が45%でトップになり、42%の「案内」を逆転したとのことである<学校図書館の(1)ご参照>。

 このように、学校図書館を「安心できる場所」にしてほしいという児童生徒の要望が高まっているところから本市でも、学校図書館の役割に「安心できる場所」を加えるべきだと考えるが、いかがか。

 なお、滋賀県東近江市立図書館が10年程前から「自殺したくなったら図書館に行こう」との呼びかけを行なって以来<図書館の力の(1)ご参照)公立図書館を「安心できる場所」にする動きが広まって来ており、昨年8月末には鎌倉市図書館が次のような呼びかけを児童生徒におこなったことが報道され話題となった<図書館の力の(29)ご参照>。すなわち、「もうすぐ二学期。学校が始まるのが死ぬほどつらい子は、学校を休んで図書館へいらっしゃい。マンガもライトノベルもあるよ。一日いても誰も何も言わないよ。9月から学校へ行くくらいなら死んじゃおうと思ったら、逃げ場所に図書館も思い出してね。」

 今回の毎日新聞の「学校読書調査」の結果は、このような流れ・動きと符合している。

A.学校図書館は、読書活動や読書指導の場である読書センターとしての役割と、子たちが調べ活動等を行う学習センターとしての役割とともに、児童生徒の人間形成や情操をはぐくむ場としての重要な役割を果たす場所と認識しており、その意味では「安心できる場所」に近い環境にあると考えている。そのため、本市では、市費での学校司書をあすか野小学校、壱分小学校、光明中学校の3校に週3日、他の16校に週2日配置し、学校図書館の環境整備をはじめ、子どもたちへの読み聞かせなど安心できる場所として支援している。

 

Q.文科省が実施した「平成28年度 学校図書館の現状に関する調査」<学校図書館の(3)-②ご参照>によれば、本市の小学校全12校のうち、学校図書館図書標準、つまり整備すべき蔵書の標準を達成しているのは5校のみで、中学校では、全8校のうち、それを達成しているのは2校でしかない。すべての学校で、図書館活用を活発にしつつ図書館図書標準を達成すべきと考えますが、いかがか。

A.学校図書館図書標準を達成していない学校もあるが、平成28年4月現在の調査で、学校図書館の蔵書数は昨年度に比べ、小中学校全体で約9100冊増加しており、各学校での図書充足率は、小学校では最高が151.7%、平均では103.1%、中学校では最高が113.3%、平均では83.4%となっている。図書標準は学級数から設定されることから、学級数の多い都市部では達成が難しい状況もあるが、学校での図書の役割からも積極的に達成するよう進めてまいりたい。

 

通級指導の制度拡充について

Q.「通級指導の制度拡充」を求める声が高まり、全国的な署名活動が行なわれて1111日に3万人分の署名が文科省に提出され、同17日には日本発達障害ネットワークなど四団体も同省に緊急アピールを提出している<特別支援教育 の【2】-(1)ご参照>が、本市における通級指導<特別支援教育 の【1】ご参照>の現状と課題についてお教えいただきたい。

A.本市では、生駒小学校に通級指導教室が昭和51年に設置された。また、就学前幼児のための支援機関である「生駒市ことばの教室」が併設され、現在幼児34名、小学生122名、合計156名を、県費教員2名、市費指導員3名の5名で指導に当たっている。個別指導、グループ指導により、ことばの遅れやコミュニケーションの弱さなどに対して、指導するとともに、通級児童の在籍校を訪問し、在籍学級の担任に関わり方や指導方法について助言を行うなどの連携を図る巡回教育相談にも取り組んでいる。課題としては、指導に対するニーズに対し、現在300名を超える経過観察児童を抱えていることである。県費教員の増員を県に働きかけるとともに、経過観察児童の教育的ニーズに対応できる力量を各校で高めるよう、特別支援教育コーディネーターの研修を充実し、一人ひとりのニ-ズに応じた丁寧な支援を進めてまいりたいと考えている。

 

小学校高学年で英語正式教科化について

Q.早くも09(H21)223日に朝日新聞が、英語教育を先行実施した小学校ではどんどん英語嫌いが増えていると報じ(ご参照.jpg)、科学的な外国語教育の確立をめざして活動を行っている小学校から大学までの外国語の教員からなる全国組織である新英語教育研究会が14(H26)813日に、小学校英語の実施学年の低学年化と正規教科化は、小学生の知的発達に負の影響を及ぼすと考えられるので撤回していただきたいとの要望書を文科省に提出する(ご参照)など英語を小学校で教えることについては様々な弊害をもたらすとの指摘がなされてきた(英語教科小学校導入批判ご参照)にもかかわらず、英語教育の小学校への導入は推進され、ついに次期学習指導要領の改定に伴い、20(H32)年度に英語が小学校高学年で正式教科になることが決定された。これについては、この917日の毎日新聞が、高学年を担当する小学校教員100人にアンケートしたところ、半数近くが、教員も児童も負担ばかりが増えるなどとして反対している、と報じている(ご参照.pdf)。そこでお聞きする。

 小学校高学年で英語を正式教科として実施することでどのような課題があるとお考えか。また、それに対してどのような対処をしようとお考えか。

A.平成272月に文科省が無作為抽出で全国公立小中学校に実施した外国語活動実施状況調査によると、小学校5、6年生の72.3%が英語の授業が好きと回答し、また、英語の勉強は大切だと思うかの問いに対し、同じく85.3%が肯定的な回答をするなど、高学年の英語に対する意識は高い状況である。それに対し小学校教員は、複数回答で、51.7%が教員の指導力、48.7%が教材・教具等の開発や準備の時間などを課題として挙げている。本市では、本年度策定した教育大綱アクションプランの「21世紀を生き抜く優しくたくましい人づくり」の中で「グローバル時代に対応した英語教育の推進」を掲げ、平成32年度からの新学習指導要領による新しい英語教育の全面実施に先行し、英語教育を推進してまいりたいと考えいる。具体的には、市独自で本年2学期から小学校1、2年生にALTを配置するとともに、平成30年度からは現在3、4年生の英語活動を年間10時間程度から35時間に拡充する予定である。また、今後の対応として、課題である教職員との連携や授業のレペルアップのためのALTコーディネーターの増員、教職員等で組織する英語教育推進委員会の設置や副読本の作成など、義務教育9年間を見据えた系統的な英語教育を進めていきたいと考えている。

最後に(要望)

 生駒の小中学校は学力の高いことで知られていますが、今回の質問で、学校図書館や通級指導についても熱心であることがわかりました。生駒市は環境モデル都市ですが、教育モデル都市とも呼ばれるようになる素質も十分に持っていると思います。子どもを通わせたいと若年夫婦が望み、子どもたちも楽しく学べる、そんな学校づくりに努めていただきますようお願いして終わります。

 

 

 

 

 

 

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