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一般質問「不登校にかかる施策について」  

 「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」(以下、「この法律」という)<このページに掲載>が、昨年1214日に公布され、今年214日に施行された。

 今後、不登校にかかる施策は、この法律に基づいて実施されることになる。そこで、今後の不登校にかかる施策について質問する。

(1)「不登校児童生徒が安心して教育を十分に受けられる学校」とは

  Q.この法律は、基本理念として「不登校児童生徒が安心して教育を十分に受けられるよう、学校における環境の整備が図られるようにすること。」をうたっている。しかし、この法律全体を読んでも、「不登校児童生徒が安心して教育を十分に受けられる学校」とはどのような学校かは明らかにされていない。この法律の第1条には「この法律は、教育基本法及び児童の権利に関する条約等の教育に関する条約の趣旨にのっとり(中略)基本理念を定め」と述べられている。教育基本法には「個人の価値を尊重して」「自他の敬愛と協力を重んずる」、児童の権利に関する条約には「人権及び基本的自由並びに国際連合憲章にうたう原則の尊重を育成すること」、国際連合憲章には「基本的人権と人間の尊厳及び価値と男女及び大小各国の同権とに関する信念をあらためて確認し」とある。つまり、「不登校児童生徒が安心して教育を十分に受けられる学校」とは、「基本的人権が尊重されている学校」ということになる。不登校の原因は、家庭内にもあるといわれているが、学校内の原因としては、いじめ、部活での過労、先輩後輩の封建的関係、教師の体罰や懲罰的指導などの外的要因により子どもたちが学校で居場所をなくすことで起こる。決して、子どもたちの心の持ち方などのような内的要因で起こるものではない。学校で居場所をなくすこととは、言い換えれば、基本的人権、つまり、尊厳ある人間として存在できること、が不可能となることである。不登校をなくすためには、「児童生徒も教師もすべての人間の基本的人権が尊重されている学校」をつくっていかねばならないと考える。このことについての所見を問う。

 A.学校は基本的人権が尊重されることはもとより、すべての児童生徒が楽しく生活することが基本であり、そのためにすべての教育活動のなかで大人も子どもも決して人を傷つけてはならないという、人権を尊重する教育の充実を図っている。教員も人権尊重の意識をより高め、児童生徒に対し自らが模範となり子どもたちがあたたかみを感じられる学校作りに今後も努めていきたい。

 

 Q.本市では、基本的人権を根底とする学校づくりに努力されていることはわかった。日本国憲法では、最初の方の11条で「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。」とうたい、更に、後ろの方の97条でも「基本的人権は、・・・・・現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。」とうたっている。基本的人権は憲法が2回にわたって念を押すほど人間にとって大切なものだということである。大人は自ら人権を守る力を有するが、児童生徒にはその力はない。従って、弱者の集まっているといえる学校は、なおのこと基本的人権が尊重されている場としなければならないと考える。今後、よりいっそう、「児童生徒も教員もすべての人の基本的人権が尊重されている学校」づくりに務めることを確約いただけるか。

 A.そのように進めていく。

 

(2)「不登校児童生徒の学習活動に対する支援を行う公立の教育施設」について

  Q.この法律の11条では「不登校児童生徒の学習活動に対する支援を行う公立の教育施設の整備(中略)のために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。」となっている。従来の学校とは別の公立の教育施設をつくることは、不登校を生み出す第2の学校をつくりだすことになることを危惧する。「努めるものとする」となっていて、整備は義務付けされていないが、「不登校児童生徒の学習活動に対する支援を行う公立の教育施設」は整備するのかしないのか。整備するのであれば、それが、不登校を生み出す第2の学校とならないようにするため、どのようなことに留意するのか。

 A.現在、教育支援施設内に適応指導教室を開設している(「教育相談室」「適応指導教室」「通級指導教室」の3つがある教育支援施設のパンフ⇒表面.jpg裏面.jpg)。ここでは学校へ行きにくい児童生徒に小集団による学習活動を行っている。適応指導教室は学校へ登校することが困難な児童生徒の心の居場所となるよう、一人一人の特性に応じて様々な配慮をし、最終的には学校への復帰を目指しているが、学校に登校するという結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目標としている。今後も児童生徒が無理をすることなく、心の居場所となるような運営を行っていきたい。

 

 Q.生駒市では、新たに公立の教育施設をつくるのでなく、すでに開設している適応指導教室を、学校に登校するという結果のみを目標とするのではなく児童生徒が無理をすることなく、心の居場所となるよう留意しながら運営していくとのこと理解した。ところで、この法律の10条でいう「特別に編成された教育課程に基づく教育を行う学校」、つまり不登校特例校のある市町村は県下であるのか。

 A.大和郡山市では、学科指導教室という不登校特例校が開設されている。生駒市では、不登校特例校の開設予定はない。

 

 Q.念のために伺うが、適応指導教室の案内パンフ(教育支援施設のパンフの裏面.jpg)に「無理のない形で、学校への復帰を支援します。」とあるが、「無理のない形」というのは、「学校に居場所がない間は学校へ復帰を促さない」ということだと理解してよいのか。

 A.児童生徒が、登校しないのは悪いことであるという罪悪感を抱くことでマイナスにならないように、児童生徒・保護者との信頼関係を最優先しなから、自らの進路を主体的に捉えて社会復帰し、社会的に自立していくことえを目標にしている。

 

(3)「不登校児童生徒の休養の必要性」について

  Q.憲法第26条第2項には「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。」とある。つまり、義務教育の意味は、子どもが学校に行きたいといえば保護者は学校に行かせる義務があるということであって、子どもは学校に行く義務があるということではない。ところが、子どもは成長するためには学校に行かねばならない、という観念が保護者にも児童生徒にもあり、これが、学校に居場所をなくした児童生徒、つまり、学校に行きたくない、学校に行けない児童生徒を苦しめてきた。今回、この法律に「個々の不登校児童生徒の休養の必要性を踏まえ、」という文言が明記されたが、今後、「不登校が生まれない学校」が実現するまでの間、すべての保護者・児童生徒に対して、どのように説明・指導するのか。

 A.学校はすべての児童生徒が有意義に生活できるよう、児童生徒の学習状況に応じた分かりやすい授業の実践、いじめ防止への取組、カウンセリング体制の充実、保護者・地域との連携・協働体制の構築等、様々な取組を進めていくことを広く公表し、保護者、児童生徒が安心して登校できる環境を整えることが責務だと考えている。また、家庭教育はすべての教育の出発点であることから、児童生徒の個々の家庭状況に応じた働きかけを行うことが必要であり、不登校の背景・要因によっては関係機関(福祉、医療関係)との連携や、場合によりフリースクールなどの民間施設等と情報共有を行っていく必要もあると考えている。

 

 Q.今回、「休養の必要性」が法律に明記された ことは画期的なことである。不登校にかかる罪悪感の苦しみから解き放つような「休養」についての説明をすべての児童生徒・保護者にしていただくことを確約いただけか。

 A.学校現場では、(「休養の必要性」が明記された)今回の法律が制定されたことはわかっているとは思うが、無理に登校するということではなく、家庭訪問等によって、保護者・当該児童生徒とのかかわりを進めながら柔軟に対応していきたい。


 Q(要望).その確約を履行していただいて、不登校の児童生徒、その保護者の苦しみを取り除いていただくようお願いいたします。

(4)最後に(要望)

 最後になりますが、1つ目の質問の答えで、「基本的人権が尊重されている学校」づくりに務めることを約束いただいた。「児童生徒も教員もすべての人の基本的人権が尊重されている学校」は、不登校だけでなく、いじめや暴力・けんか・器物破損といった問題行動や差別事象等々も起こらない学校である。どうか、そんな学校づくりに更に力を入れていただくことを重ねて強く要望して、終わります。

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