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「アオヤマくんがおっぱいに興味を持つ(ことを描く)のはセクハラだ」という意見(主張)について   

(1)この意見(主張)は当たらないとの理由

 探究心こそ人生の最高のスパイス 『ペンギン・ハイウェイ』が教えてくれる、謎に挑むことの楽しさミラーより

 では、実際に存在する謎はなにかと言うと、「おっぱい」のことである。人間の女性の胸がなぜあのように膨らむのかは諸説あるが、まだ解明されていない。他の哺乳類の胸があのように膨らむことはなく、人だけがなぜかあのように乳房が膨らむわけだが、乳腺はわずかで大部分は脂肪である。胸の膨らみ方によって授乳能力に差があるわけでもなく、なぜ人間の女性がそのように進化したのかは謎である。

 ちなみに、かつて『裸のサル』という本を著したデズモンド・モリスという動物学者が提唱した、人間の女性の胸が膨らむのは尻の代用で、男に尻を想起させるためにふくらんだとする「臀部擬態説」などというものもあった。(ちなみに筆者は、平本アキラの漫画『監獄学園』でこの説を知った)

 とにかく女性の胸はいまだ謎であり、アオヤマ君がおっぱいに惹かれるのは、彼が単にエロガッパだからということではなく、知的好奇心をくすぐる対象だからだ。あの膨らみには人類の謎が詰まっているのだ。

 おっぱい=下ネタではないのだ。それは、自らの知識の範囲のみで物事を判断してしまうことであり、探究心が足りない。世界の謎は、我々の身近にもたくさんあるのだということを示唆しているのであって、おっぱいはこの映画のテーマにきちんと関わる重要なファクターだ。

(2)原作者の森見登美彦さんは、かかる意見(主張)がでるのを回避するために主人公を「小学4年生」に設定しました。あるいは、主人公が「小学4年生」だから実際に存在する謎の一つに「おっぱい」を設定しました。小学3年生以下だと「おっぱいは授乳する(母を連想する)もの」となり、小学5年生以上だと「おっぱいは性的な(思春期を連想する)もの」となってしまうからです。「(小学4年生にとって)おっぱいは(授乳するものや性的なものでなく)謎」ではなく「(小学4年生であるにもかかわらず)おっぱい=下ネタ」ととられてしまったことは、原作者や映画製作者にとって不本意であり、この小説の愛読者やこの映画のファンにとっても残念なことです。

 なお、原作者が「おっぱい」を多用したのは、それには文学的な難しさを崩せる、関節を外す、文章を波立たせるという効用があるからでもあったからとのことです。

~この記事は小説「ペンギン・ハイウェイ」 ついに、劇場映画化の中のものです。~

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