« 2019年 6月定例議会 <作成中> | トップページ | 公慶上人   »

「坂」/「本名」

「坂」の中には、2つの異なる世界の境界(2つの異なる世界を結ぶもの)となっているものがあります。例えば、次のようなもの。

 ①日本神話・・・黄泉比良坂よもつひらさかは生者の住む現世と死者の住む他界(黄泉よみ)との境界。

 ②ブラタモリ「#69京都・清水寺」(17.4.8)・・・タモリさん「坂っていうのは傾斜のある場所っていうだけでなくて境目っていう意味もある。(清水坂の場合は、)この世とあの世の境」と発言(ご参照.pdf )。

 ③劇場アニメ「千と千尋の神隠し」・・・冒頭シーンの千尋とその両親が車で登る坂は地上の世界(この世)と異界を結ぶ。

 ④劇場アニメ「君の名は。」・・・最後のシーンは坂。この坂の上は、三葉が生きる時間が流れている世界、坂の下は瀧が生きる時間が流れている世界、坂さか(境さかい)の途中で2人は出会い、互いに「君の名は。」と「求魂」し<下記の「本名」ご参照>、2人の魂が合体することを示唆して物語は終わりました。最後のシーンは、異なる世界の境である坂でなければならなかったのです。そこでこそ、2人は出会えたのです。

 ⑤小説&劇場アニメ「ペンギン・ハイウェイ」・・・住宅地の端にある坂(→劇場アニメの一場面 クリックで拡大)171 が、住宅地と異界(ジャバウォックの森と「海」のある草原)の境目となっている。  小説「ペンギン・ハイウェイ」の解説劇場アニメ「ペンギン・ハイウェイ」について

 ⑥長弓寺国宝金堂の裏から真弓1丁目に至るイザナギ坂・真弓坂・・・旧世界(富雄川流域の平地の歴史ある町)と新世界(真弓~北大和の新興住宅地)の境界(ご参照.pdf)。

 参考書籍:「京都の坂

本名

 ・日本古代においては、本名は神聖なもので、特に女性は自分の本名を男性には明かしませんでした。本名を知ってるのは、父親か同腹の兄弟、それに結婚していれば夫だけでした。本名を知られてしまうと、魂(=存在)を支配されると考えられていたのです。だから、「君の名は」と問うことは、私にあなたの魂(=存在)をくださいという(求婚=求魂する)ことで、それに応えて本名を告げることは、自らの魂(=存在)を委ねることでした。そこに、「坂」の➃の映画の題名がなぜ「君の名は。」で、なぜ男女が入れ替わる物語なのか、に対する答があるように思います。

 ・「坂」の③の「千と千尋の神隠し」においても、千尋やハクは湯婆婆に本名を「知られる=奪われる」ことで(魂=存在を)支配されたことになっています。また、本名を忘れると帰り道が分からなくなる、ともされていました。

 ・「坂」の ⑤の「ペンギン・ハイウェイ」では、登場人物のだれもがファーストネームで呼ばれることがありません。2人の主人公に至っては、「お姉さん」「少年」と呼び合っています。少年はお姉さんを研究しています。そんな特別な関係の中で、お姉さんが少年を本名で呼び(=求魂し) 、少年がそれに応えれば、その魂はお姉さんに取り込まれて、もはや少年はお姉さんを研究出来なくなってしまいます。また、少年がお姉さんを本名で呼び(=求魂し) 、お姉さんがそれに応えれば、もはやお姉さんは研究対象ではなくなってしまいます。なお、お姉さんは第3者がいる場合は少年を「アオヤマ君」と呼びますが、それは他者と区別するための記号としてそれを使用しているに過ぎません(=求魂ではない)。登場人物のだれもがファーストネームで呼ばれることがなく、読者・観客にもファーストネームが知らされることがないことは、登場人物が互いに拘束することのない自由な雰囲気を醸し出し、読者・観客に登場人物すべてに分け隔てなく感情移入できるようにしています。

 ・上記3つの劇場アニメは、キーポイントに「坂」と「本名」が入っています。 

 

 

 

« 2019年 6月定例議会 <作成中> | トップページ | 公慶上人   »

無料ブログはココログ