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<今週の社会科教材>冤罪が発生するメカニズム(自白偏重主義に基づく自白強要)

                                                (2019.8.3 記) 

 1982年に社会科解体が強行される中で、日教組に結集する現場教員は、「現代社会」の授業をするとき、政府与党の狙いとは逆に、本来の社会科教育の目標「社会の諸問題と真っ向から向き合い、真に国民主権を担う人間として成長していく場を提供する」を実現していく授業を行う努力をしました。例えば、私の場合(私は世界史を教える教員として採用されましたが、「現代社会」が新設された当時は、政治経済を教えるために採用された教員だけでは足りないので、私の勤務校では「現代社会」はすべての社会科教員が教えることにしました)、ある日の授業では、「憲法が規定する基本的人権の尊重は十分に実現しているか」をテーマとし、それを考える教材として「冤罪が発生するメカニズム(自白偏重主義に基づく自白強要)」を生徒に提示しました。もう30年以上も前のことです。

 以上のことを述べてきたのは、昨日、「執拗に自白を強要 許せない」との新聞記事.jpgを読んだからです(明日「現代社会」の授業をせよといわれたら、この記事を教材にします。これが、今週の社会科教材です)。この記事に書かれていることは、30年ほど前に私が生徒に説明したこととまったく同じです。「冤罪が発生するメカニズム」 がいまだ存続していることを改めて認識させられました。そして、そのメカニズムの怖さは30年前より各段に高まっています。今日では、共謀罪法があり、憲法改悪(非防衛型戦争の合憲化と基本的人権の制限が主目的)があるからです。

 44 共謀罪法とは277の対象犯罪について共謀罪が成立するためには、犯罪を遂行しようとの謀議があれば足り、犯罪実行行為も犯罪準備行為も不要であるのみならず組織的犯罪集団による謀議である必要もなく、2人以上の者の「犯行の合意」という極めて不明確な概念により処罰できるようにするものです。これは外形的行為のない意思の段階では処罰しないというわが国の刑法の大原則に反するばかりか、人々の表現行為を処罰するものである関係で表現の自由、集会結社の自由、ひいては思想信条等内心の自由など憲法上の根幹的な基本的人権に対する重大な脅威となっています。<右図は、「組織的な威力業務妨害」を対象犯罪として共謀罪が成立させられる例です。> このページもご参照

 この共謀罪法と「冤罪が発生するメカニズム」 と憲法改悪の3つが結合すれば、戦争反対の言行をおこなうなど政府与党にとって都合の悪い市民団体等を一網打尽にする(つまり、だれか一人に、複数人が犯行の計画を示し合わせているということを無理やり自白させて全員を投獄する)ことが出来るようになり、戦前のような警察国家の復活が可能となります。

 さて、「冤罪が発生するメカニズム」 がいまだに根強く存続しているのは、自白偏重主義が根強く続いている(ご参照 <ミラー>)からです。日本国憲法は、第三十八条で「何人も、自己に不利益な供述を強要されない。」「強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。」「何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。」というように、三重に、つまり厳重に「自白偏重主義=自白強要」を禁止しているにもかかわらずにです。今の日本では、このことといい、戦争法・共謀罪法・特定秘密保護法・カジノ法等の違憲立法といい、なぜ憲法がないがしろにされているのでしょうか。それは、憲法を最も守らなければならない総理大臣が憲法を蔑んでおり(この映像を見た外国人は日本人を軽蔑するようになると思われる映像をご参照)、そんな態度を政府与党がよしとしているからです。

追記(20.1)愛媛誤認逮捕ミラー

 この記事は、18 諸課題自治体行政にも影響を与える国政問題憲法・改憲阻止に所収されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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